学生の一人暮らし。引っ越したら住民票は移すべき?移さないとどうなる?
一人暮らしをスタートする際には、様々な手続きを行う必要があります。その中でも忘れがちなのは「住民票」の移動です。
学生さんの中にはあえて住民票を移動せず、実家のままにしているという方も多いのではないでしょうか。
住民票の移動は通常、住民基本台帳法によって引っ越し後から14日以内に移動させることが義務となっています。
ただし、一定の要件を満たせば、住民票の移動をしなくても良い特例があります。
今回は住民票の移動が義務ではなくなる条件や、住民票を移さないことで生じるデメリットなどをご紹介していきます。
住民票の移動の対象外になりえるのは?
住民基本台帳法では、引っ越しをした日から14日以内に住民票を移動することが義務とされています。
もし移動させていない場合、住民基本台帳法第52条第2項により、5万円以下の過料を支払う必要があります。
しかし、正当な理由がある場合に限り、住民票の移動が免除されることもあります。
そのケースというのは下記の通りです。
●一時的に移住している場合(例:1年未満の移住)
●生活の拠点が実家である場合(例:一人暮らしでも頻繁に実家に帰るなど、生活の拠点が実家のままの場合)
例えば学生の場合は、学生生活が終わったら実家に戻る見込みがある、社会人なら短期の単身赴任で、赴任期間が終われば元の住所に戻る見込みがある場合に該当します。
あくまでも重要なのは「生活の拠点が実家(元の住所)である」ということなので、学生なら無条件で移動させなくてもいい訳ではない点に注意しましょう。
住民票を移さないことのデメリット
「一時的な移住」であれば住民票の移動はしてもしなくても問題ありませんが、実際は一時的な移住であっても、住民票は移しておいた方が何かと便利です。
以下では、住民票を移しておかない場合、つまり現住所に住民票が無いことのデメリットをご紹介致します。
●選挙権を行使できない
選挙権が行使できるのは、住民票に記載されている住所のみとなります。そのため転居先で選挙があっても参加することができません。
●運転免許証が取得できない/更新できない
運転免許証の取得試験や更新は、住民票に記載されている住所の指定地域でしか行えません。住民票を移動せずに運転免許証の取得や更新を行いたい場合、住民票に記載された旧住所まで赴かなければなりません。
●本人確認郵便物が受け取れない場合がある
郵便物の中には、受け取りの際に本人確認が必要になるものも存在します。住民票を移していない場合、本人確認書類全般が旧住所のままなので、これらを本人確認として使用することができません。
●愛犬の予防接種が受けにくくなる
愛犬も一緒に移住をする場合、住民票を移動しないままだと蓄犬登録が旧住所のままとなり、万が一愛犬が行方不明になってしまった場合など、飼い主不明のまま扱われてしまいますので注意です。
●公的な証明書類を発行できない
住民票を移していない場合、住民票の写しや印鑑証明などの公的証明書類を発行することができません。例えばアルバイトを始める際、給料の振込先に指定された銀行口座を持っていなければ新規に口座を開設することになりますが、新規の口座開設には公的証明書類が必要となります。住民票を移していないと新規口座の開設もできないことになります。
住民票の移し方
住民票を移していないデメリットは上記に紹介したようにとても多いので、余程の理由がない限りは例え学生の間だけの移住でも住民票を移しておいた方が何かと便利です。
住民票の移動は複雑で面倒というイメージをお持ちかもしれませんが、役所には2度行くだけで簡単に手続きができます。
1.引っ越し前に現住所の役所で「転出届」を提出し、「転出証明書」を貰っておく(引っ越し日の2周間前から手続き可能)
2.引っ越し後、新住所の役所で「転出証明書」「転入届」を提出する(引っ越し後14日以内に手続きをする)
※同一の市町村に転居する場合は、引っ越し後14日以内に「転居届」を提出するだけとなります。
どうしても役所に行く時間が取れない場合、代理人による手続きが可能です。また、転出届の提出をせずに引っ越してしまった場合、引っ越し前に住んでいた場所によっては郵送で「転出証明書請求書」を受け付けている場合があります。
まとめ
学生の一人暮らしは住民票の移動が義務ではないと認識している方は多いです。しかし、学生であっても正当な理由がなければ住民票を移さなければなりません。
学生の場合は初めての一人暮らしということも多く、慣れないこともあってつい役所の手続きを忘れがちです。しかし、後々不便になると困るのは自分なので、忙しい合間を縫ってでも手続きを忘れないようにしてくださいね。
少し触れたとおり、役所によっては郵送で手続きが可能であったり、委任状があれば身内の方が手続きを代理することも可能です。
引っ越してから随分時間が経ってしまったけど住民票をう道させたいという場合でも、役所に問い合わせれば置かれている状況に合わせて適切な対応をしてもらえますので、安心してください。